就労選択支援とは?

2025年10月から開始された新しい障がい福祉サービスです
障がいのある方が、自分に合った働き方や就労支援サービスを見つけるためのサポートを行います

就労選択支援とその目的

「就労選択支援(しゅうろうせんたくしえん)」は、 自分に合った仕事や働き方を見つけるためのサポートをする新しいサービスです。

「働きたいけれど、どんな仕事が自分に合うかわからない」
「働き始めたけれど、思っていたより大変で続けられなかった」
──そんな不安やミスマッチをなくすために、 支援員と一緒に自分の得意なこと・苦手なこと・必要なサポートを整理しながら、 自分に合った仕事や事業所を探していきます。

これまでの就労支援では、どのサービスを利用すればいいか分かりにくいことがありましたが、 就労選択支援では、「自分に合う支援」や「次のステップ」を一緒に考え、 より安心して働く準備ができるようお手伝いします。

この制度は2025年10月から始まったばかりの新しい仕組みで、 仕事の練習(訓練)ではなく、「アセスメント(適性を知ること)」に特化しています。

利用期間は原則1か月間で、短い期間の中で「自分に合った働き方」や「次に利用する支援サービス」を見つけることが目的です。
(※状況に応じて、最長2か月まで延長できる場合もあります。)

就労選択支援は、障がいのある方が自分に合った仕事や働き方を見つけるための支援です。
就職先を紹介するものではなく、働く前の段階で「どんな働き方や支援制度が自分に合うか」を一緒に考えるためのサービスです。

専門の支援員とじっくり話し合いながら、 自分の得意なことや希望を整理し、今後の選択肢を広げるためにご利用ください。

📋 対象となる方

働く意欲があり、就労移行支援や就労継続支援(A型・B型)といった就労系障がい福祉サービスの利用を検討している障がいのある方が主な対象です。また、現在これらのサービスを利用中の方も対象となります。

具体的には、次のような方が利用できます。

  • 就労移行支援や就労継続支援(A型・B型)などの就労支援サービスの利用を考えている方
    (※特に2025年10月以降、新しく就労継続支援を利用する場合は、原則として就労選択支援の利用が必要になります)
  • 現在、就労継続支援サービスを利用していて、サービスの更新を予定している方
    (本人の希望に応じて利用できます)
  • 現在、就労移行支援を利用している方
  • 特別支援学校の高等部に在籍している生徒の方
  • 高校や大学などに通っている障がいのある学生の方

他の就労支援との違い

就労選択支援は、他の就労支援制度とは異なる役割を持っています

就労移行支援との違い

就労選択支援と就労移行支援の目的・対象者・サービス内容の違い

項目 就労選択支援 就労移行支援
目的 適切な障がい福祉サービスへの橋渡しと、次のステップへの支援 一般企業への就労に必要なスキルや習慣の習得、職場定着
対象者 新たに、または更新で就労継続支援・就労移行支援の利用を希望する方 65歳未満で、一般企業への就労を希望し、知識・能力の向上や職場探し等を通じて就労が見込まれる方
サービス内容 強みや特性の整理、自己理解の促進、情報提供、関係機関との連携など 作業訓練、職場実習、求職活動支援、職場定着支援など
就労選択支援
目的
適切な障がい福祉サービスへの橋渡しと、次のステップへの支援
対象者
新たに、または更新で就労継続支援・就労移行支援の利用を希望する方
サービス内容
強みや特性の整理、自己理解の促進、情報提供、関係機関との連携など
就労移行支援
目的
一般企業への就労に必要なスキルや習慣の習得、職場定着
対象者
65歳未満で、一般企業への就労を希望し、知識・能力の向上や職場探し等を通じて就労が見込まれる方
サービス内容
作業訓練、職場実習、求職活動支援、職場定着支援など

就労選択支援は、ご自身の強みや特性を理解し、就労継続支援(A型・B型)、就労移行支援、一般就労など、多様な選択肢の中から最適な働き方を見つけるためのサポートを行います。

一方、就労移行支援は、一般企業への就労を目指す方が対象で、そのために必要な知識やスキルの習得、求職活動、就職後の職場定着までを支援します。

つまり、就労選択支援は「どの働き方が自分に合っているか」を考えるためのサービスであり、就労移行支援は「一般企業で働く」という目標に向けた具体的な準備とサポートを行うサービスと言えます。

就労継続支援A型・B型との違い

就労継続支援は「働く場所を提供する」支援ですが、
就労選択支援は「働き方を考える」支援です。

項目 就労選択支援 就労継続支援A型 就労継続支援B型
目的 適切な障がい福祉サービスへの橋渡しと、次のステップへの支援 雇用契約を結んで働く場を提供し、職業技能の習得や就労経験を積む 雇用契約なしで働く機会を提供し、生産活動を通じて働く経験を積む
対象者 新たに、または更新で就労継続支援・就労移行支援の利用を希望する方 雇用契約を結んで働くことができ、職業技能の習得や就労経験のステップアップが必要な方 雇用契約が難しい方で、軽作業などの生産活動を通じて働く機会を必要とする方
サービス内容 強みや特性の整理、自己理解の促進、情報提供、関係機関との連携など 作業訓練、職場実習、求職活動支援、職場定着支援など 軽作業などの生産活動、就労経験の提供、社会参加の促進など
雇用契約 なし あり なし
賃金・工賃 なし 給与(原則、最低賃金以上) 工賃(生産物に対する支払い)
利用期間 原則1か月(最長2か月) 制限なし 制限なし
就労選択支援
目的
適切な障がい福祉サービスへの橋渡しと、次のステップへの支援
対象者
新たに、または更新で就労継続支援・就労移行支援の利用を希望する方
サービス内容
強みや特性の整理、自己理解の促進、情報提供、関係機関との連携など
雇用契約
なし
賃金・工賃
なし
利用期間
原則1か月(最長2か月)
就労継続支援A型
目的
雇用契約を結んで働く場を提供し、職業技能の習得や就労経験を積む
対象者
雇用契約を結んで働くことができ、職業技能の習得や就労経験のステップアップが必要な方
サービス内容
作業訓練、職場実習、求職活動支援、職場定着支援など
雇用契約
あり
賃金・工賃
給与(原則、最低賃金以上)
利用期間
制限なし
就労継続支援B型
目的
雇用契約なしで働く機会を提供し、生産活動を通じて働く経験を積む
対象者
雇用契約が難しい方で、軽作業などの生産活動を通じて働く機会を必要とする方
サービス内容
軽作業などの生産活動、就労経験の提供、社会参加の促進など
雇用契約
なし
賃金・工賃
工賃(生産物に対する支払い)
利用期間
制限なし

就労選択支援は「選ぶための準備期間」であり、就労継続支援は「働きながら訓練・経験を積む場」です。

就労継続支援A型は雇用契約を結んで給与を得ながら働く場を提供し、就労継続支援B型は雇用契約なしで工賃を得ながら働く場を提供します。

つまり、就労選択支援は「どの支援が自分に合っているか」を考えるサービスであり、就労継続支援は「実際に働く場所を提供するサービスです。

就労定着支援との違い

就労定着支援は「就職後の定着をサポート」しますが、
就労選択支援は「就職前の選択をサポート」します。

項目 就労選択支援 就労定着支援
目的 適切な障がい福祉サービスへの橋渡しと、次のステップへの支援 就職後に職場で長く働けるようにサポートし、仕事内容の調整や人間関係・生活面の相談も含む
対象者 新たに、または更新で就労継続支援・就労移行支援の利用を希望する方 就職後の定着や継続に不安のある方、職場環境への適応に支援が必要な方
サービス内容 強みや特性の整理、自己理解の促進、情報提供、関係機関との連携など 職場環境の調整、人間関係のサポート、生活面の相談、就労継続のための支援など
支援のタイミング 就職活動前・活動中(準備段階) 就職後(定着段階)
就労選択支援
目的
適切な障がい福祉サービスへの橋渡しと、次のステップへの支援
対象者
新たに、または更新で就労継続支援・就労移行支援の利用を希望する方
サービス内容
強みや特性の整理、自己理解の促進、情報提供、関係機関との連携など
支援のタイミング
就職活動前・活動中(準備段階)
就労定着支援
目的
就職後に職場で長く働けるようにサポートし、仕事内容の調整や人間関係・生活面の相談も含む
対象者
就職後の定着や継続に不安のある方、職場環境への適応に支援が必要な方
サービス内容
職場環境の調整、人間関係のサポート、生活面の相談、就労継続のための支援など
支援のタイミング
就職後(定着段階)

就労選択支援は「就職活動の準備」を行うサービスであり、就労定着支援は「就職後の職場定着」を支援するサービスです。

就労選択支援では、自分に合った仕事や働き方を見つけるための情報提供や相談、職場体験の機会を提供します。

一方、就労定着支援では、就職後に職場で長く働けるようにサポートし、仕事内容の調整、人間関係や生活面の相談なども含みます。

つまり、就労選択支援は「就職前にどの働き方が自分に合っているか」を考えるサービスであり、就労定着支援は「就職後に職場で定着できるよう」サポートするサービスです。段階的に利用することで、より効果的な支援が可能です。

利用方法と手続きの流れ

就労選択支援を利用するまでの具体的なステップをご説明します

ステップ 内容
1. 相談 お住まいの市区町村の障がい福祉課、もしくは直接、就労選択支援事業所や就労移行支援事業所に相談可能。サービス内容や利用方法の説明を受けられます。
2. 支給決定・受給者証 市町村からの支給決定を受け、「障がい福祉サービス受給者証」が交付されます。
3. 利用開始・アセスメント 就労選択支援事業所で支援を開始。面談や作業体験を通してアセスメントを行います。必要に応じて、特別支援学校での実習や他の障がい福祉サービスの現場も活用できます。
4. 支援会議 アセスメント結果を関係機関や本人、家族と共有し、支援の方向性を調整します。
5. 情報提供・準備 利用者本人に就労に関する情報提供を行い、今後の働き方のイメージを整理します。
6. 就労につなげる 就労系障がい福祉サービスの利用や一般企業への就職など、希望に合わせた進路につなげます。
ステップ1: 相談
お住まいの市区町村の障がい福祉課、もしくは直接、就労選択支援事業所や就労移行支援事業所に相談可能。サービス内容や利用方法の説明を受けられます。
ステップ2: 支給決定・受給者証
市町村からの支給決定を受け、「障がい福祉サービス受給者証」が交付されます。
ステップ3: 利用開始・アセスメント
就労選択支援事業所で支援を開始。面談や作業体験を通してアセスメントを行います。必要に応じて、特別支援学校での実習や他の障がい福祉サービスの現場も活用できます。
ステップ4: 支援会議
アセスメント結果を関係機関や本人、家族と共有し、支援の方向性を調整します。
ステップ5: 情報提供・準備
利用者本人に就労に関する情報提供を行い、今後の働き方のイメージを整理します。
ステップ6: 就労につなげる
就労系障がい福祉サービスの利用や一般企業への就職など、希望に合わせた進路につなげます。

まずは気軽に事業所に相談することからスタートできます。手続きや申請はサポートを受けながら進められるので安心です。

多様な選択肢から検討

就労選択支援を通じて、自分に合った次のステップを見つけることができます。

障がい福祉サービスの申請
就労系障がい福祉サービス
就労継続支援B型
就労継続支援A型
就労移行支援
その他の障がい福祉サービス
自立訓練(生活訓練)
生活介護など
その他の就労支援
ハローワーク
障がい者就業・生活支援センター
地域障がい者職業センター など
その他の支援
地域活動支援センター
職業訓練
医療機関 など

利用料金について

就労選択支援の費用と自己負担について分かりやすくご説明します

区分 世帯の収入状況(目安) 自己負担上限(目安)/月
生活保護世帯 生活保護を受けている世帯 0円
低所得世帯 市町村民税が非課税の世帯(低所得) 0円
一般1 市町村民税が課税され、所得割が16万円未満の世帯万(目安:収入が概ね600万円以下) 9,300円
一般2 所得割が16万円以上の世帯(目安:収入が概ね600万円以上) 37,200円
生活保護世帯
世帯の収入状況
生活保護を受けている世帯
自己負担上限
0円
低所得世帯
世帯の収入状況
市町村民税が非課税の世帯(低所得)
自己負担上限
0円
一般1
世帯の収入状況
市町村民税が課税され、所得割が16万円未満の世帯(目安:収入が概ね600万円以下)
自己負担上限
9,300円
一般2
世帯の収入状況
所得割が16万円以上の世帯(目安:収入が概ね600万円以上)
自己負担上限
37,200円

補足:上表は目安です。就労選択支援の利用料は原則としてサービス費用の1割が自己負担になりますが、世帯の状況や利用形態によって取り扱いが異なる場合があります。また、要件により免除や軽減が適用されることがあります。

詳しい金額や減免の該当については、お住まいの市区町村の障がい福祉担当課にご確認ください。厚生労働省の基準も参考になります。

よくある質問

就労選択支援に関するよくある質問をご紹介します

障がい者手帳がなくても、就労選択支援を利用できますか?

はい。障がい者手帳がなくても利用できる場合があります。まずはお住まいの自治体やお近くの就労選択支援事業所へご相談ください。

利用するのにお金はかかりますか?

原則としてサービス費用の1割を自己負担しますが、世帯の所得によっては無料で利用できる場合もあります。利用者負担には上限額が設定されているため、安心して利用できます。

「就労」と聞くとすぐに働かなきゃいけないの?

いいえ。就労選択支援は、すぐに働くことを目的とした支援ではありません。自分に合った働き方や就労支援サービスを選ぶためのサポートです。必要に応じて職場体験などを行う場合もあります。

就労移行支援との違いは?

就労選択支援は、自分に合った支援や働き方を探すためのサポート。
就労移行支援は、実際に働くためのスキルを身につける支援です。

どんな支援をしてくれる制度ですか?

支援員が利用者の強みや希望を一緒に整理し、主にアセスメントを通して適性を確認した上で「自分に合う働き方」を見つけるお手伝いをします。

働けるようになったら、就職先を紹介してくれますか?

就労選択支援自体が就職先を紹介する制度ではありませんが、ハローワークなどと連携し、就労移行支援や一般企業への就職につながる支援ができます。

途中でやめたくなったら、やめられますか?

はい。ご本人の希望でいつでも中止できます。支援内容や期間は柔軟に調整できますので、無理のないペースで利用可能です。

最初はどこに相談すればいいの?

市区町村の障がい福祉課に相談するのが一般的ですが、直接、就労選択支援事業所や就労移行支援事業所へ相談することもできます。どちらでもサービス内容や利用方法の説明を受けられます。

まずはお気軽にご相談ください

就労選択支援は、「働き方について悩んでいる」「どんな支援があるか知りたい」と考えている方のための支援制度です。
名前に「就労」とありますが、すぐに働くことを求めるものではありません。専門の支援員と話しながら、自分の強みや希望を整理し、これからの選択肢を一緒に考えていくサポートです。

この支援を通じて、就労移行支援や就労継続支援など、自分に合った次のステップを見つけることができます。まずは気軽にご相談ください。

お住まいの自治体やお近くの事業所でもご案内しています。

お問い合わせ

仕事が続かない…体調が不安…
お気軽にご質問やご相談をお寄せください。
【相談無料】

メールアイコン

お問い合わせフォーム

※ 送信いただいた内容は、お返事のためだけに使用いたします。

就労選択支援事業所
サザンエイト

お電話でのご相談

06-6335-9170

平日 9:00-17:45 / 土・日・祝、年末年始を除く
来所でのご相談は事前予約をお願いします

〒530-0041
大阪府大阪市北区天神橋3丁目8-9
TATSUMI天神橋ビル(旧新末広ビル) 6F